映画『人間失格』二階堂ふみ狂気の怪演!太宰を呑み込んだ熱演の裏側
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本作の大きなトピックとなったのが、R15+指定を受けた過激かつ情熱的な性描写です。小栗旬と二階堂ふみによる濡れ場やキスシーンは、単なる視覚的な刺激にとどまらず、二人の魂の侵食関係を生々しく表現する決定的な装置として機能しています。
蜷川実花監督の現場は、美術や照明への徹底的なこだわりで知られます。富栄の部屋で繰り広げられる濡れ場では、畳の上に散乱する原稿用紙、赤や緑の生花、薄暗い行燈の光など、官能と死臭が同居する独特の色彩空間が構築されました。報道陣向けの取材で明かされた撮影秘話によれば、小栗旬はこの過酷な撮影期間中に体重を大幅に減量し、太宰特有の虚無感と病弱さを極限まで身体化して臨んでいたといいます。
その小栗に対し、二階堂ふみは持ち前の圧倒的な集中力と度胸で対峙しました。二人のキスシーンは、甘美なロマンスとは対極にある、相手の生気を吸い取るような激しさを帯びています。二階堂はインタビューで「小栗さんが全身全霊で太宰としてそこに立ってくださっていたので、私も富栄としての感情の波に身を任せることができた」と振り返っています。
特にクライマックスである玉川上水への「入水心中シーン」の撮影は、過酷を極めました。降りしきる豪雨の中、泥まみれになりながら太宰の手を取り、自らの赤い帯で二人の身体を結びつける富栄。冷たい水辺で小栗の首元にしがみつく二階堂の顔には、この世の誰にも奪われない「永遠の勝利」を手に入れたかのような恍惚の笑みが浮かんでいました。現場スタッフが息を呑んだというこのカットは、映画『人間失格』における最大の見せ場となっています。