放牧とは?畜産の基本から競馬の外厩調整の真相まで徹底解説

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かつての日本競馬では、「トレセンでビシビシ鍛え上げてレースに送り出す」ことが調教師の腕前とされていました。しかし、2010年代以降、その力関係は完全に逆転しました。立役者となったのが、福島県天栄村に位置するノーザンファーム天栄や、滋賀県甲賀市のノーザンファームしがらきといった、世界最高水準の設備を誇る民間の育成牧場(外厩)です。

これらの施設には、美浦や栗東のトレセンを凌駕する全長1,000m以上の屋内坂路コース、天候に左右されないトレッドミル、最新の温水プールや高圧酸素カプセル、獣医師チームが常駐しています。「外厩調整と放牧の真相」とは、牧場でのんびり草を食むことではなく、「レース直前の極限状態をトレセン外で作り上げ、トレセンには出走手続きと最終確認のためだけに戻る」という分業システムの確立にほかなりません。

実際に、過去数年のGI戦線における「放牧明けの競走馬成績」を検証すると、驚くべきデータが浮き彫りになります。有馬記念、天皇賞(秋)、日本ダービーなどの最高峰レースにおいて、前走から3カ月以上レース間隔の空いた「外厩からの直行組」が勝利する割合は年々高まり、現在では主要GI勝ち馬の半数以上を占めるに至っています。「叩き2戦目で調子を上げる」という昭和〜平成初期の競馬常識は崩壊し、トップホースほど「放牧先での完璧な仕上げ+本番一発勝負」というローテーションが定着しています。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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