突然の回転性めまいは耳石が原因?悪化を防ぐリセット体操の正しい手順
突然の回転性めまいは耳石が原因?悪化を防ぐリセット体操の正しい手順の重要なポイントについて、最新情報を詳しくお届けします。
人間の内耳には、音を感じ取る蝸牛のほかに、体の傾きや平衡感覚を感知する「前庭器」と、回転運動を捉える「三半規管(後半規管・外側半規管・前半規管)」が備わっています。前庭器の内部にある「耳石器(卵形嚢・球形嚢)」の上には、炭酸カルシウムを主成分とする無数の微粒子「耳石」がゼラチン質の膜に乗っています。この耳石が重力や加速度を感じることで、私たちは目をつぶっていても体がどの方向に傾いているかを正確に知覚できる仕組みです。
ところが、加齢に伴う組織の変性、骨粗鬆症によるカルシウム代謝の乱れ、長時間の寝たきり状態、あるいは頭部への打撃などが引き金となり、耳石の一部が剥がれ落ちてしまうことがあります。剥がれた耳石のかけらがリンパ液で満たされた三半規管の中に迷い込むと、頭を動かした際に耳石が重力に従って管内を移動します。このとき生じるリンパ液の異常な水流が、感覚細胞(クプラ)を過剰に刺激。「体は静止しているのに、内耳からは猛烈なスピードで回転している信号が脳へ送られる」という致命的な感覚のズレが生じ、激しい回転性めまいと自律神経反射による吐き気が引き起こされるのです。
臨床統計において、剥がれた耳石の約80〜90%は構造上最も低い位置にある「後半規管」に沈着します。これが「後半規管型良性発作性頭位めまい症」と呼ばれる病態です。特徴的なのは、「頭を動かした瞬間(起床時、寝返り時、上を見上げた瞬間など)に数秒〜数十秒だけ激しく回転し、頭をじっと固定すると1分以内にピタリと治まる」という点です。難聴や強い耳鳴りを伴わず、意識障害や手足のしびれがない場合、この耳石移動が原因である可能性が極めて濃厚と言えます。