セメントとコンクリートの違いとは?モルタル比較と配合比を徹底解説
セメントとコンクリートの違いとは?モルタル比較と配合比を徹底解説に関する主要な事実を丁寧にまとめました。専門的な情報をご確認ください。
混同されがちな3つの資材ですが、その力学的な関係性は「主原料」「中間材」「構造材」という階層構造で捉えると極めて明快です。料理に例えるならば、セメントは「小麦粉」、モルタルは水と具材を少し加えた「お好み焼きの生地」、コンクリートはさらに大きな具材をぎっしり詰め込んだ「具だくさんの鍋料理」と言えます。
まずセメントの原材料は、国内自給率100%を誇る良質な石灰石を主成分に、粘土、珪石、酸化鉄原料を高温のキルン(回転窯)で焼成して作られる「クリンカー」に、凝結速度を調整する石膏を数パーセント添加して微粉末にしたものです。日本国内で流通する建材の大半は、JIS R 5210に準拠したポルトランドセメント(特に普通ポルトランドセメント)が占めています。セメント単体はあくまで粉末状の「結合材(バインダー)」であり、単体で水と練っても収縮が激しく、硬化後に無数の亀裂が入って粉々に砕けてしまうため、単体で構造物を作ることはできません。
このセメントに「砂(細骨材)」と水を混ぜ合わせたものがモルタルです。砂の粒がセメントペーストの過度な収縮を抑え、粘り気のあるペースト状になるため、レンガやブロックを積む際の目地材、あるいは外壁の仕上げ塗りとして活躍します。標準的な骨材と砂利の配合比率(容積比)は、セメント1に対して砂が2〜3、水が0.5〜0.6程度です。
そして、モルタルにさらに大きな「砂利(粗骨材)」を練り込んだものがコンクリートです。骨材同士が強固に噛み合い、その隙間をセメントペーストが埋めて一体化することで、巨大な圧縮荷重に耐えうる強靭な人工石が完成します。現場打ちコンクリートの標準配合比率は「セメント1:砂2:砂利4」が基本とされ、砂利の存在こそがコンクリートに圧倒的な圧縮強度をもたらす決定打となります。