本当に効くのはどっち?コンセントリック収縮で筋肥大を最大化する正しい鍛え方
本当に効くのはどっち?コンセントリック収縮で筋肥大を最大化する正しい鍛え方について重要なポイントを解説いたします。詳細な分析をお届けします。
コンセントリック収縮の特性を理解する上で避けて通れないのが、対となる「エキセントリック収縮(伸張性筋収縮)」との比較です。筋肉が引き伸ばされながらブレーキをかけるように耐えるエキセントリック収縮に対し、コンセントリック収縮は筋肉を自ら縮めていくため、生理学的な挙動が大きく異なります。
最大の相違点として挙げられるのが「発揮可能な絶対筋力」の格差です。運動生理学者のNuzzoらによる包括的メタ分析(2023年発表、12,546人の被験者および335件の個別研究を統合解析)では、同一の筋肉・同一の関節角度において、エキセントリック筋力はコンセントリック筋力に対して約1.41倍(およそ40%増)の最大張力を発揮できることが統計的に裏付けられました。
なぜ自ら持ち上げる時よりも、下ろす時に耐える力の方が強いのでしょうか。その理由は、筋線維内の構造タンパク質である「チチン(タイチン)」がバネのように張力を補助することに加え、ミオシン頭部がアクチンフィラメントから機械的に引き剥がされる際に強烈な抵抗力を生み出すためです。
このデータ比較から明らかな通り、発揮できる筋力の絶対値ではエキセントリック収縮に軍配が上がります。しかし、だからといってコンセントリック収縮が劣っているわけではありません。エネルギー(ATP)を激しく消費し、全身の代謝を高めながらウエイトを加速させる能力は、コンセントリック局面特有の産物です。