なぜ新潟「ラ ブランジェ リシェ」は効率化を拒む?食通を唸らせる極上パンの真相
なぜ新潟「ラ ブランジェ リシェ」は効率化を拒む?食通を唸らせる極上パンの真相とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
ここ数年、製パン業界を取り巻く経済環境は厳しさを極めている。世界的な穀物市場の乱高下、輸送コストの増大、エネルギー価格の跳ね上がり。多くのベーカリーが原材料のダウングレードやサイズの縮小を余儀なくされるなか、リシェのアプローチは明快かつ頑なだ。安易なコストカットには一切目を向けない。
近年、耳ざわりの良い言葉として消費されがちな「地産地消」というスローガンに対しても、その姿勢はどこまでも冷徹だ。新潟県産小麦の持つ独特のモチモチ感や風味の豊かさを高く評価しながらも、パンの骨格を支える力強いグルテンが必要なハード系には、厳選した北米産やフランス産の小麦を精密な比率でブレンドする。「地元産だから使う」という思考停止を嫌い、「理想の食感と香りを生み出すために何が必要か」という味覚の必然性だけで素材を選び抜く。そのリアリズムが、目の肥えたパン愛好家たちの信頼を勝ち得ている。