日立の株価はなぜ強いのか?上昇の決定打と今後の見通しを徹底検証
日立の株価はなぜ強いのか?上昇の決定打と今後の見通しを徹底検証について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。
現在の日立の強さを語る上で、2009年の大赤字を契機に始まった「執念の事業ポートフォリオ大手術」を避けて通ることはできません。当時会長兼社長に就任した故・川村隆氏と、副社長として改革を推し進め後に社長を務めた故・中西宏明氏が下した決断は、日本の伝統的な大企業社会において前代未聞の冷徹さとスピード感を伴うものでした。
公の場や当時の会見において、経営陣が「日立の看板に安住し、赤字を垂れ流す事業を庇い合う時代は終わった」と語った通り、グループの聖域なき解体が断行されました。日立御三家と呼ばれ、グループの祖業・屋台骨であった日立化成(昭和電工へ売却)、日立金属(現プロミネンステクノロジーズ)、日立電線をはじめ、高シェアを誇っていた日立建機の株式売却や日立物流の売却に至るまで、上場子会社を次々に手放しました。日本の株式市場で長年ガバナンス上の問題と指摘されてきた「親子上場」を完全にゼロへと導いたのです。
さらに、一般消費者に馴染みの深かったテレビや白物家電の自社生産からの撤退・縮小、火力発電システム事業の三菱重工業との統合(三菱パワーへ承継)など、かつての看板事業であっても「世界で勝てない低収益事業」はことごとく切り離されました。こうした大手術によって創出した巨額のキャッシュを、日立は守りではなく「世界首位を狙える領域への攻めの巨額M&A」へと注ぎ込みました。
象徴的だったのが、2021年に完了した米国のデジタルエンジニアリング企業「GlobalLogic(グローバルロジック)」の約1兆円に迫る大型買収です。当時は「買収価格が高すぎる(のれん代の毀損リスク)」と一部メディアや投資家から懐疑的な目を向けられましたが、現在ではLumadaのグローバル展開を加速させる中核エンジンとして、シリコンバレーの最先端知見を日立の全事業へ注入する決定的な一手となっています。