「シシリエンヌ」の意味とは?フォーレの名曲に秘められた歴史と魅力
「シシリエンヌ」の意味とは?フォーレの名曲に秘められた歴史と魅力とはどんな影響があるのか? 背景や要点を整理してお届けします。
シシリエンヌのルーツであるシチリアーノは、17世紀から18世紀にかけてのバロック期において、すでに多くの大作曲家たちを魅了していた。もっとも有名な例のひとつが、ヨハン・ゼバスティアン・バッハによるフルート・ソナタ変ホ長調の第2楽章だ。バッハは哀愁漂うシチリアーノのリズムを用いて、どこか神聖で深く静かな精神性を表現した。
時代が下るにつれ、クラシック音楽業界ではこの舞曲形式が持つ「秘められた感情表現」のポテンシャルが再認識されていく。ルネサンスからバロック、そしてロマン派に至るまで、シチリア島に発した小さな田園のリズムは欧州全域へ波及し、最終的に19世紀末のフランスでフォーレという至高のメロディメーカーの手によって決定的な名曲へと結実したのである。