登山ブログが残した最後の記録|遭難死亡事故の真相と生死を分けた判断
登山ブログが残した最後の記録|遭難死亡事故の真相と生死を分けた判断の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。
事態が急変した現場で、何が命運を決定づけたのか。調査によって判明した生死を分けた理由の中核にあるのが、低体温症と判断ミスの悪循環です。人間は体温が35度以下に低下するとシバリング(体の震え)が起こり、さらに低下すると震えが止まり、激しい眠気や無気力状態に襲われます。
この段階に達すると、地図を正しく読む力や現在地を把握する認知能力が著しく麻痺します。本来であれば風を避けてビバーク(緊急露営)すべき局面で、パニックから沢筋へ下りてしまい滑落事故の原因を作ったり、吹雪の中で幻覚や錯乱に陥って服を脱ぎ捨てる「矛盾脱衣」を起こしたりするケースも報告されています。遭難者は決して自ら危険に飛び込んだわけではなく、脳の機能低下によって「間違った選択を正しいと錯覚させられていた」のです。