ストレスで熱が出る「心因性発熱」とは?解熱剤が効かない理由と対処法
ストレスで熱が出る「心因性発熱」とは?解熱剤が効かない理由と対処法について見逃せない 注意点を分かりやすい構成で解説いたします。
体調不良で熱が出た際、真っ先に疑うのは風邪やインフルエンザなどの感染症です。しかし、ストレスが引き金となって体温が跳ね上がる現象には、まったく別の生体ルートが存在します。
通常の発熱は、体内に侵入した細菌やウイルスに対抗するため、免疫細胞が炎症性物質(サイトカイン)を放出し、脳の視床下部にある体温調節中枢を刺激して体温を上げます。このとき作用するのが「プロスタグランジンE2」という物質であり、市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンやロキソプロフェンなど)はこの合成をブロックすることで熱を下げます。
対して、心因性発熱のメカニズムには炎症物質が一切関与していません。極度の緊張や心理的負荷に晒されると、脳皮質から指令が下り、自律神経のうち交感神経の過緊張が発生します。交感神経から過剰に分泌されたノルアドレナリンなどの神経伝達物質が、褐色脂肪組織での熱産生を急速に促し、同時に末梢血管を収縮させて体内の熱を逃げにくくします。
つまり、炎症がないためプロスタグランジンをいくら抑えようとしても効果が出ず、解熱剤が効かないという事態に陥るのです。薬を飲んでも熱が微動だにしないこと自体が、ストレス発熱を疑う強力なサインとなります。