新生児の口呼吸は危険?口を開けて寝る理由と受診すべき緊急サイン
新生児の口呼吸は危険?口を開けて寝る理由と受診すべき緊急サインについて押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。
小児医療の臨床において、新生児が自発的に完全な口呼吸を行うケースは極めて例外的です。新生児の気道構造を見ると、喉頭蓋(こうとうがい)が軟口蓋(なんこうがい)の背後に深く入り込む形態をとっており、咽頭と鼻腔が直結しやすい構造を保っています。この優れた生体防御機能のおかげで、赤ちゃんは授乳中にお乳をゴクゴクと飲み込みながらも、鼻から独立して酸素を取り込み続けることができます。
では、なぜ多くの保護者が目撃するように、赤ちゃんが口を開けて寝る理由が存在するのでしょうか。そこには病気ではない3つの生理的要因が関係しています。
第1に、口周りの筋肉(口輪筋)の発達未熟です。新生児は全身の筋肉が未完成であり、睡眠時に全身の力が抜けると自然と下顎が下がり、ポカンと口が開いてしまいます。このとき、鼻呼吸が正常に保たれていれば、口が開いていても空気の出入りはほとんど鼻から行われています。
第2に、浅い睡眠(レム睡眠)の割合の多さです。成人のレム睡眠が睡眠全体の約20%であるのに対し、新生児期は約50%を占めます。眠りが浅い時間帯には手足のビクつき(モロー反射)や顔の筋肉の痙攣、口のモグモグ運動が頻繁に起こり、その過程で一時的に口唇がめくれ上がることが日常茶飯事です。
第3に、赤ちゃんの頭頸部の解剖学的バランスです。新生児は頭蓋骨に対して下顎が小さく後退しており、仰向けに寝かせると舌の根元が自然と喉の奥へ落ち込みやすい特徴があります。これにより、口を閉じるよりもわずかに開いている方が口腔内圧のバランスを保ちやすい状態が生まれます。