マグロは寝るのか?泳ぎ続ける理由と夜間に脳を休ませる生態の真相

マグロは寝るのか?泳ぎ続ける理由と夜間に脳を休ませる生態の真相とはどんな影響があるのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

結論から言えば、マグロも間違いなく眠っています。ただし、人間や陸上哺乳類のように横たわって完全に意識を手放したり、目を閉じたりする眠り方とは根本的に異なります。一般的な魚の眠り方を見渡すと、岩陰に身を寄せてじっと動かなくなる沿岸魚や、砂の中に潜り込んで休息するベラの仲間など、活動を完全に停止させる種類が多く存在します。しかし、マグロのような遠洋性の回遊魚の睡眠は、これらとは全く一線を画す進化を遂げました。

海洋生物の研究機関が実施したクロマグロやミナミマグロの行動追跡データによると、日没後のマグロは明確に日中とは異なる行動パターンへと移行します。昼間はエサを追って激しく上下運動を繰り返し、水深数十メートルから数百メートルを急激に行き来していますが、夜間になると特定の水深層をキープし、緩やかなカーブを描くように単調なペースで旋回遊泳を続けます。この夜間の行動こそが、マグロにとっての睡眠時間です。

水産研究・教育機構などの調査データでも、夜間におけるマグロの筋肉の活動電位や代謝量は、日中の捕食活動時と比較して著しく低下していることが確認されています。つまり、マグロは遊泳という最低限の生命維持運動を継続しながら、大脳や感覚中枢を深いリラックス状態に置き、疲労を回復させているのです。「止まれない」という過酷な制約を背負ったマグロがたどり着いた究極の解答、それがこの「動的睡眠」という適応戦略でした。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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