山本太郎「ベクレてる」発言の真相と現在|風評被害の傷痕と批判の全貌
山本太郎「ベクレてる」発言の真相と現在|風評被害の傷痕と批判の全貌の特集記事をお届けします。専門的な知識が詰まっています。
「ベクレてる」という言葉の語源は、放射能の強さ(放射性物質が1秒間に崩壊する原子の数)を表す国際単位「ベクレル(Bq)」に動詞化の接尾辞がついたネットスラングです。原発事故直後、電子掲示板群(2ちゃんねる等)で自然発生的に使われ始めたとされ、「放射性物質が含まれている」「被曝する」といった意味合いの隠語として流通していました。
このスラングが決定的な害悪をもたらした理由は、「検出限界以下や基準値以下であっても、ゼロでなければ汚染されている」というゼロリスク信仰を定着させ、生産地そのものを差別・忌避する風潮を後押しした点にあります。放射線防護学において重要な「どれだけの量(シーベルト・ベクレル)を摂取したかという用量反応関係」を完全に無視し、白か黒かの二元論にすり替えてしまったのです。
その結果、福島県産の米や野菜、水産物に対して科学的根拠のない買い控えが起き、流通現場で不当に安買されるといった直接的な経済的被害をもたらしました。「ベクレてる」という軽薄な響きを持つスラングは、被災地の人々が最も恐れ、最も戦っていた偏見の刃そのものとなって突き刺さりました。