戌の日の安産祈願をしない人は何割?行かない理由と後悔ゼロの代替策

戌の日の安産祈願をしない人は何割?行かない理由と後悔ゼロの代替策とはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。

安産祈願を見送る妊婦に対し、外野からは「少しの時間くらい我慢できないのか」「一生に何度もないイベントなのに」といった無神経な声が投げかけられがちです。しかし、彼女たちが「行かない」と決断する背景には、単なる怠慢などではなく、切実かつ客観的な理由が存在します。

1. 「妊娠5ヶ月=体調万全」という医学的誤認とつわりの長期化

社会一般には「妊娠5ヶ月に入れば安定期だから動けるはず」という根強い思い込みがあります。しかし産婦人科現場のデータが示す通り、つわり(妊娠悪阻)が妊娠中期以降も持続する妊婦は全体の15〜20%存在します。さらに、胎盤が完成に近づく時期であっても、絨毛膜下血腫や子宮頸管無力症のリスク、切迫流産の兆候により「自宅安静」を指示されるケースは決して珍しくありません。

真夏の猛暑や真冬の底冷え、立ちくらみや嘔吐感と闘いながら、砂利道や階段の多い境内を歩く行為は、母体にとっても胎児にとっても明白なリスクを伴います。

2. 義実家・実家との人間関係と「マタニティプレッシャー」

安産祈願が妊婦単独のイベントにとどまらず、両家の親を巻き込んだ親族行事に肥大化しやすい点も敬遠される大きな要因です。「初穂料はどちらが出すのか」「参拝後の会食会場はどうするのか」「着ていく服装は何が適切か」といった調整に忙殺され、精神的ストレスが極限に達するケースが散見されます。

悪気のない「男の子かな、女の子かな」「跡取りだから無事に産んでもらわないと」といった周囲の無遠慮な言動に晒されることを避け、精神的な平穏を保つためにあえて参拝自体を断念するケースが顕著に見られます。

3. 経済的合理性とコストパフォーマンスの再考

安産祈願にかかる初穂料の相場は5,000円から10,000円ですが、これに加えて親族の会食費(2万〜4万円)、妊婦用フォーマルウェアの新調、交通費や駐車場代などを合算すると、一度の行事で5万〜8万円前後の出費となることが一般的です。物価高が続く現下の経済情勢において、「短時間の形式的祈祷に大金を投じるより、これからの出産準備品や将来の教育資金、ベビーベッドの購入費に充てたい」と考える現実派の夫婦が増加しています。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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