読者を狂わせるイヤミスの旗手・真梨幸子の罠と衝撃の真相とは
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イヤミスというジャンルの枠に収まらない重厚な人間ドラマとして高い評価を得たのが、双葉社から刊行された『坂の上の赤い屋根』だ。閑静な高級住宅街で起きた凄惨な女子高生両親殺害事件。その事件から数年後、新人作家と担当編集者が事件をモチーフにした小説の連載を企画したことから、関係者たちの秘められた過去と狂気が再び連鎖し始める。
本作はWOWOWの「連続ドラマW」枠で実写化され、桐谷健太をはじめとする実力派キャスト陣の緊迫感あふれる競演が大きな反響を呼んだ。映像化において際立ったのは、真梨作品が持つ「多重構造の妙」だ。登場人物それぞれの主観によって語られる事件の輪郭は少しずつズレていき、誰が真実を語り、誰が嘘をついているのかが最後まで判別できない。WOWOW制作陣が緻密に再構築した心理サスペンスの緊張感は、原作の持つ毒と見事に共鳴し、視聴者を戦慄させた。