涅槃とは?仏教の究極の境地と死との決定的な違いを徹底解説
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釈迦は35歳で有余涅槃に達した後、45年間にわたって各地で教えを説き歩き、80歳でクシナガラの沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で入滅しました。この最後の旅立ちの光景を描いた仏教絵画が「涅槃図(ねはんず)」です。
涅槃図では、頭を北にし、顔を西に向けて右脇を下にして横たわる釈迦(頭北面西右脇臥)を取り囲み、弟子や諸菩薩だけでなく、天界の神々や無数の動物たちが激しく嘆き悲しむ姿が描かれています。
【涅槃図に描かれている動物たちの特徴】
- 象・獅子(ライオン)・虎・馬・牛・犬・鳥類・爬虫類など:多種多様な生き物が描かれ、仏教が説く「すべての生命に対する平等な慈悲(一切皆苦・悉有仏性)」を象徴しています。
- 猫が描かれない歴史的背景:多くの伝統的な涅槃図には「猫」が描かれていません。これには「ネズミがお釈迦様の薬を取りに行くのを猫が邪魔した」「インド古来の神話において不吉とされた」などの伝承が存在します。ただし、京都の東福寺や長野の善光寺など、江戸時代以降に描かれた一部の涅槃図には愛嬌たっぷりの猫が描き込まれている例も確認されています。
日本全国の寺院では、釈迦が入滅した日とされる2月15日に「涅槃会(ねはんえ)」と呼ばれる法要が執り行われます。
涅槃会では、参拝者に無病息災や魔除けを祈念した特有の食べ物が配られます。地域によって「お釈迦団子(五色団子)」「やしょうま(米粉で作る伝統団子)」「花供養の花団子」などが振る舞われ、春の訪れを告げる年中行事として今なお各地で息づいています。