国民負担率はなぜ五公五民に?財務省データと手取り激減の真相
国民負担率はなぜ五公五民に?財務省データと手取り激減の真相についての真相をお届けします。
ネット上で過熱する「五公五民」という表現は、歴史の教科書に登場する江戸時代の農民への過酷な年貢割当て(収穫の半分を領主が徴収する制度)を借用した比喩です。この言葉が単なる感情論にとどまらず、これほどまでに生活者の共感を呼ぶ背景には、過去数十年にわたる「手取りへの影響」の甚大さがあります。
かつて1970年代の高度経済成長期における国民負担率は、わずか24.3%に過ぎませんでした。当時であれば、稼いだ給与の4分の3以上が手元に残り、個人の消費や貯蓄へと回っていた計算です。しかし、バブル崩壊後の1990年代を経て、2000年代には36%台へと上昇し、2026年代以降は一気に45%を超える領域へと突入しました。わずか半世紀の間で、公的な取り分が実質2倍近くに膨れ上がったのです。
この急上昇をもたらした最大の原因は、消費税の引き上げ以上に「社会保険料負担増の経緯」にあります。高齢化の急激な進展に伴い、医療費や介護費、年金給付費といった社会保障給付費は右肩上がりに膨張を続けました。歴代政権は、選挙への影響が大きく可視化されやすい「直接的な増税」を極力避け、労使折半で給与から自動天引きされる社会保険料率の引き上げを小刻みに繰り返してきた経緯があります。
厚生年金保険料率は2004年の法改正から2017年まで毎年引き上げられ、上限の18.3%で固定されたものの、その後も健康保険料率や介護保険料率(40歳以上)の地道な引き上げ、さらには2026年より本格導入が進む「子ども・子育て支援金制度」の上乗せなどが続いています。その結果、企業が賃上げを行っても、額面の上昇分の大半が社会保険料と税金に吸収され、「昇給したのに手取りがまったく増えない」という不可逆な手取り減少の罠を生み出しています。