山一證券破綻の真相と現在|涙の記者会見から簿外債務の闇を追う
山一證券破綻の真相と現在|涙の記者会見から簿外債務の闇を追うを徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを凝縮して配信します。
1997年11月24日、東京・兜町の東京証券取引所で開かれた自主廃業の緊急記者会見は、昭和・平成の経済史において最も人々の記憶に刻まれた瞬間の一つです。登壇したのは、前社長らの逮捕に伴い、破綻のわずか3カ月前の同年8月に就任したばかりの野澤正平社長でした。
会見が終盤に差し掛かった際、記者から経営責任を厳しく追及された野澤社長は、突如立ち上がり、顔を紅潮させ、両手で涙を拭いながら絶叫しました。
「私らが悪いんであって、社員は悪くありませんから! 一人でも二人でも、皆さんが再就職できるように、応援してください! お願いします!」
この叫びは、経営中枢の不正を一切知らされず、真面目に顧客のために働いてきた全国約1万人の社員たちの無念を代弁したものでした。野澤社長自身はリテール(個人営業)叩き上げの人物であり、長年にわたる簿外債務の隠蔽工作には関与していませんでした。「敗戦処理の貧乏くじ」を引かされた形での登壇でしたが、保身に走る歴代トップたちとは対照的に、取り乱しながらも社員の雇用と人生を守ろうとした姿は、今なお多くの人々の心を揺さぶり続けています。