Mr. Big「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」誕生秘話と全米1位の真実
Mr. Big「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」誕生秘話と全米1位の真実を徹底追究! 知っておきたい 情報と解説を分かりやすく展開します。
世界中のスタジアムを大合唱で包み込んできた「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」ですが、その成り立ちは巨大なロックビジネスとは無縁の、極めて私的でナイーブな思春期の情景から始まっています。エリック・マーティンが当時のインタビューや回想録で明かしているところによると、この楽曲の原形が作られたのは彼がまだ16歳から17歳のハイスクール時代でした。
当時、エリックには密かに想いを寄せる女性がいました。しかし彼女には別の恋人がおり、その相手はいわゆる街のプレイボーイタイプで、彼女は何度も浮気され、心を痛めて泣いていました。傷つき涙を流す彼女のそばに寄り添いながら、エリックの心中に去来したのは「なぜあんな男のために泣くのか。自分なら絶対に君を悲しませないのに」という、やり場のない焦燥感と無私の献身でした。自宅の寝室にこもり、アコースティックギターを爪弾きながら紡ぎ出されたのが、あの冒頭のフレーズだったのです。
「泣かないで、僕がそばにいるよ」という慰めと、「いつか僕を選んでほしい」という思春期特有の淡い野心。この曲の根底には、フィクションではない生々しい少年の純情が流れています。当時書き殴られたコードとメロディは、数年後にソングライターのデヴィッド・グラハムの手を借りて洗練されたポップソングへと昇華され、MR.BIGのスタジオへと持ち込まれることになりました。