原価割れとは?あえて赤字で売る理由と独禁法違反の境界線を解説

原価割れとは?あえて赤字で売る理由と独禁法違反の境界線を解説の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

原価割れ販売は企業の自由な営業戦略に見える一方、市場の健全な競争を著しく歪める危険性を孕んでいます。そこで重要となるのが、独占禁止法(第2条第9項第6号)に基づく「不当廉売(ふとうれんばい)」の規制です。世界的に「ダンピング規制」として知られるこの枠組みにおいて、日本の公正取引委員会は極めて厳格なガイドラインを敷いています。

独禁法において赤字販売の違法性が問われるのは、単に「原価を下回って売った」という事実だけではありません。法律違反と判断されるためには、以下の3つの判断基準を総合的に満たす必要があります。

  1. 費用の著しい下回り:商品の供給に要する費用(総販売原価、あるいは仕入原価などの可変費用)を著しく下回る対価で販売していること。
  2. 継続性と数量:一時的な処分ではなく、相当期間にわたって反復・継続して大量に供給されていること。
  3. 公正競争阻害性:他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれ(競合他社を市場から締め出す、または新規参入を阻止する効果)があること。

公正取引委員会の公式見解・相談事例集においても、「需要の見込み違いによって大量に滞留した在庫品を、資金回収のために仕入原価以下で一掃処分する行為」については、正当な理由があるものとして独占禁止法上まったく問題ないと明記されています。違法となるのは、潤沢な資金力を持つ大資本が、近隣の中小競合店を兵糧攻めにして市場から駆逐し、将来的に独占価格で暴利を貪るような「略奪的価格設定」に限定されます。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest