また君に恋してる原曲の真相|坂本冬美カバー秘話と歌詞の核心に迫る

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ビリー・バンバンの原曲リリースから約1年半後の2009年、状況は劇的な展開を迎えます。演歌界の第一線を走り続けていた坂本冬美さんが、突如としてこの楽曲をカバーしたのです。きっかけは偶然のテレビ視聴でした。

当時の報道や本人の回想録によると、坂本冬美さんは自宅のテレビからふと流れてきたビリー・バンバンの『また君に恋してる』を聴き、「なんて美しく、胸に響く曲なのだろう」と深く心を奪われたといいます。同時期、三和酒類側でも的場浩司さんを起用した新商品「いいちこ日田全麹」の新たなプロモーション展開を模索していました。CMプロデューサー陣の思惑と坂本冬美さんの楽曲に対する純粋な情熱が奇跡的に合致し、女性ボーカルによるカバー企画が正式に動き出しました。

しかし、レコーディングの現場は平坦ではありませんでした。坂本冬美さんといえば、唸りやこぶしを効かせた骨太な男歌や情念の演歌で確固たる地位を築いてきた名手です。関係者の証言によれば、ディレクターから求められたのは「こぶしを完全に抜き、ささやくように語りかけるウィスパーボイス」でした。自著や特番インタビューでも彼女は「長年身体に染み付いた歌唱法を削ぎ落とす作業は、着物を剥ぎ取られて裸で放り出されるような恐怖だった」と当時の苦闘を告白しています。

徹底的に引き算の美学を突き詰めた結果、2009年1月発売のアルバム『Love Songs 〜また君に恋してる〜』および同年10月のシングルカット版は大爆発を記録します。有線放送リクエストチャートで異例の長期1位を獲得しただけでなく、着うた配信では演歌歌手として史上初となるミリオンダウンロード(レコチョク年間ランキング上位席巻)を達成。第60回・第61回NHK紅白歌合戦で2年連続歌唱されるなど、世代とジャンルの壁を打ち破る一大社会現象となったのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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