習近平と安倍晋三の知られざる関係|冷戦から歴史的会談の舞台裏
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2023年に出版され大きな反響を呼んだ『安倍晋三 回顧録』には、公式発表では決して語られなかった習近平主席の素顔と、安倍氏による極めてシャープな人物評が赤裸々に綴られています。
安倍氏は習氏について「思想信条としての共産主義者というよりは、自らの権力を維持し、国家を統治するための冷徹なリアリストである」と分析していました。特に象徴的なのは、少人数での懇談時に習氏が漏らしたとされる「もし自分がアメリカに生まれていたら、共産党ではなく民主党か共和党に入党して政治家を目指していただろう」という趣旨の発言です。自らの所属する党のイデオロギーそのものよりも、「権力のメカニズム」を客観視している姿勢に安倍氏は強い印象を受けていました。
一方で、安倍氏は習氏が背負う「巨大な中国共産党という組織を統括する孤独とプレッシャー」も敏感に感じ取っていました。事前に用意されたペーパーを読み上げる公式会談とは異なり、通訳だけを同席させた食事会などでは、経済運営の難しさや統治の苦悩を吐露する場面もあったと伝えられています。