繰り返すフラッシュバックの原因と止め方|脳科学が暴くトラウマ克服法

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記憶が制御を失って暴走する背景には、脳の深部に位置する「扁桃体(へんとうたい)」と「海馬(かいば)」、そして思考を司る「前頭前野」の連携破綻が存在します。

通常、私たちが経験した出来事は、海馬によって「いつ、どこで起きたか」という時間と文脈の情報(タイムスタンプ)が付与され、大脳皮質に整理・保管されます。しかし、命の危険を感じるほどの衝撃や、長期にわたる精神的虐待などの強烈な恐怖に直面すると、脳の警報装置である扁桃体がパニックを起こし、海馬の正常な情報処理機能を麻痺させてしまいます。

その結果、トラウマとなった記憶は「過去に終わった出来事」としてファイルに整理されず、未処理の生データ(未整理の感情、臭い、音、体感)のまま脳内に放置されます。これが、過去の記憶を突然思い出す理由の正体です。日常の中で当時の状況とわずかでも類似した刺激(特定の匂い、怒鳴り声のトーン、閉鎖空間など)に触れた瞬間、扁桃体が「いま再び生命の危機が迫っている」と誤認し、交感神経を一気に爆発させます。

これが医学的に定義されるPTSDの症状におけるフラッシュバックの構造です。意志の力で思い出しているのではなく、危険を回避しようとする防衛本能が暴走し、生々しい感覚を現在進行形の危機として強制再生させているのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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