ボウイ復活の名曲『Where Are We Now? 』歌詞の真相とベルリンの記憶
ボウイ復活の名曲『Where Are We Now? 』歌詞の真相とベルリンの記憶について見逃せない ポイントを厳選して解説いたします。
この楽曲で繰り返される「Where are we now?」というフレーズには、どのような意味や考察が込められているのでしょうか。楽曲の核となる詩情を紐解くため、重要なセクションの歌詞日本語訳を見ていきます。
「Had to get the train / From Potsdamer Platz / You never knew that / That I could do that / Just walking the dead(ポツダム広場から列車に乗らなければならなかった / 君は知らなかっただろう / 僕がそんなことをできたなんて / まるで死人のように歩きながら)」
ここで歌われる「死人のように歩く男」は、薬物と狂気に蝕まれていた1970年代のボウイ自身を指しています。ボウイは過去の自分を幽霊のように俯瞰しながら、冷戦が終結し近代都市へと変貌を遂げた現在のベルリンを歩いているのです。「あの頃の僕はどこへ行き、世界はどこへ向かったのか、そして現在の自分はどこに立っているのか」という重層的な問いが胸に迫ります。
しかし、この楽曲は単なる過去への逃避や感傷では終わりません。終盤、重厚なコーラスとともに歌われるのは以下の力強い祈りです。
「As long as there's sun / As long as there's rain / As long as there's fire / As long as there's me / As long as there's you(太陽がある限り / 雨が降る限り / 火が燃える限り / 僕がいる限り / そして君がいる限り)」
老いを受け入れ、過去の亡霊と対峙したボウイが最後にたどり着いたのは、「君(他者)」の存在と現在進行形の生への賛歌でした。失われゆく時間の中で唯一確かなのは、今ここに存在する他者との絆であるという、ボウイ流の温かな人間讃歌がここに結実しています。