2ちゃんねる乗っ取りの深層|ひろゆきとジム氏の決裂と巨額賠償の全貌
2ちゃんねる乗っ取りの深層|ひろゆきとジム氏の決裂と巨額賠償の全貌の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。
ひろゆき氏を語るうえで避けて通れないのが、掲示板上の誹謗中傷を巡り裁判所から命じられた巨額の損害賠償金問題です。最盛期には数十件に及ぶ民事訴訟を起こされ、命じられた賠償金の累計額は約30億円に達したと報じられています。しかし、同氏はその大半を支払いませんでした。
なぜそのような芸当が可能だったのか。鍵を握るのは当時の日本の民事執行制度と、周到な法人スキームです。2009年、ひろゆき氏は2ちゃんねるの運営権をシンガポールのペーパーカンパニー「パケットモンスター社(Packet Monster Inc.)」へ形式的に譲渡したと発表しました。これにより、日本国内で差し押さえ可能な「西村博之名義」の預託資産や売上金債権を表面上ゼロにする工作を図ったとされています。
当時の法制度では、債権者が自ら債務者の預金口座を特定しなければ差し押さえが執行できず、口座を転々と移動させられたり海外口座へ逃避されたりすると、回収費用が賠償請求額を上回る「回収不能の壁」が存在しました。日本の民法における確定判決の消滅時効は10年です。債権者が10年ごとに裁判を起こして時効を更新しない限り、請求権は自然消滅します。
2015年頃からのフランス・パリへの移住理由について、ひろゆき氏は「妻の希望やビザの利便性、生活のしやすさ」を強調していますが、取材班が照会した法曹関係者は「国内での債権回収圧力の回避と、海外居住者となることによる資産防衛の完結」という側面が決定打であったと分析しています。その後の民事執行法改正(財産開示手続の罰則強化など)が施行される前に主要な時効期間を乗り切ったことで、数億円から数十億円規模の資産防衛が成し遂げられたと見るのがメディア各社の共通した見解です。