脂肪腫とは?粉瘤との違いや悪性の見分け方・手術費用を徹底解説
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脂肪腫(英語名:Lipoma)とは、皮膚と筋肉の間にある皮下組織の脂肪細胞が局所的に増殖し、薄い線維性の被膜に包まれてできた良性の軟部腫瘍です。体のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、特に背中、肩、首の後ろ、腕、太ももといった体幹部や四肢の近位に好発します。40代から60代の中高年層に多く見られますが、20代や30代の若年層、あるいは小児に発生することもあります。
臨床現場において、患者から真っ先に投げかけられるのが「なぜできたのか」「太ったことや食生活が原因なのか」という疑問です。しかし、日本形成外科学会などの知見によると、脂肪腫と一般的な肥満や食事内容との間に直接的な因果関係は認められていません。痩せ型の人であっても発症しますし、ダイエットをして体脂肪率を減らしたとしても、一度形成された脂肪腫が縮小することはありません。
現段階の医学において、脂肪腫が発生する根本的なメカニズムは完全には解明されていません。しかし、遺伝子研究の進展により、腫瘍細胞内の第12染色体の相互転座(HMGA2遺伝子などの異常再構成)が約3分の2の症例に関与していることが突き止められています。また、全身に十数個から数百個単位のしこりが多発する「多発性家族性脂肪腫症」などの遺伝的素因が存在することも分かっています。打撲や外傷の後にしこりに気づくケースが多いため「ケガが原因ではないか」と考えがちですが、打撲による内出血の血腫が脂肪腫に変化したわけではなく、怪我を契機に偶然触れて発見されたケースが大半を占めています。