谷口浩美「こけちゃいました」の真相と笑顔の理由|名言の裏側と現在
谷口浩美「こけちゃいました」の真相と笑顔の理由|名言の裏側と現在の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。
1992年8月9日、猛暑と過酷なモンジュイックの急坂が待ち受けるコースで行われたバルセロナオリンピック男子マラソン。前年の1991年東京世界陸上で金メダルを獲得していた谷口浩美選手は、日本中から「金メダル確実」と期待され、万全のコンディションでスタートラインに立ちました。
レースが中盤に差し掛かった20.5km付近の給水所で悲劇は起こります。先頭集団が給水テーブルに殺到した混戦の中、後続の選手に左足のシューズの踵を踏まれてしまったのです。衝撃でバランスを崩した谷口選手はアスファルトの上に激しく転倒。さらに脱げてしまったシューズは後方へと転がっていきました。
谷口選手は咄嗟に立ち上がり、落ちたシューズを拾い上げ、踵を入れて紐を結び直すという致命的なタイムロスを強いられます。この間にトップ集団のペースは容赦なく上がり、その差は約30秒近く(距離にして150メートル以上)まで開いてしまいました。マラソンの勝負どころにおける30秒のビハインドは、絶望的なギャップでした。
しかし、谷口選手は決して走りを投げ出しませんでした。猛烈なペースで前を追う怒涛の追い上げを展開し、脱落していく選手たちを一人、また一人と抜き去ります。執念の走りで順位を押し上げ、最終的に8位入賞(2時間14分42秒)のゴールテープを切ったのです。