ピアスの跡は自力で消せる?しこり・穴塞ぎの費用と修正手術の真相
ピアスの跡は自力で消せる?しこり・穴塞ぎの費用と修正手術の真相について重要なポイントを解説いたします。詳細な分析をお届けします。
医療現場に持ち込まれる相談の中で、特にトラブルに直結しやすい「ネットの誤解」が3点あります。
第1の誤解は、「傷をつければ簡単に穴が塞がるという自傷行為」です。針や安全ピンを突き刺して出血させ、向かい合う面を無理に接着しようとする行為は、黄色ブドウ球菌や緑膿菌などの感染を引き起こし、最悪の場合は耳介軟骨膜炎を起こして耳の軟骨が溶けて変形します。家庭用器具で生じる傷面は不規則かつ雑菌だらけであり、皮膚同士が綺麗に癒着することは決してありません。
第2の盲点は、「手術を受ければ翌日から傷が全く見えなくなるという幻想」です。形成外科医がどれほど精密に微小外科手術を行っても、皮膚を切開する以上、赤みのある線状の傷跡(瘢痕)は必ず生じます。この赤みが成熟瘢痕となって周囲の肌色に馴染むまでには、最短でも3ヶ月から6ヶ月の時間を要します。面接や結婚式の「前週」に慌てて手術を受けると、かえって糸が付いた状態や術後の内出血・赤褐色が目立ち、逆効果になるリスクがあるのです。
第3の盲点は、「ケロイド体質の自覚がないままの安易な切開」です。過去にピアスの穴が開いた部分にしこりができやすい体質の人が、十分な検査や問診を経ずに自費の美容クリニックで単純切除を受けた場合、手術の切開創そのものが刺激となって、術前よりさらに巨大なケロイドへと増殖する危険があります。日本形成外科学会の治療指針でも、耳垂ケロイドの外科的切除を行う際は、術直後からの電子線(放射線)照射や圧迫療法の併用が強く推奨されています。