舌の黒い点は病気?血豆やがんの見分け方と受診の目安
舌の黒い点は病気?血豆やがんの見分け方と受診の目安の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
舌の粘膜は非常に薄く、毛細血管や神経が密集している極めて繊細な組織です。そこに突然「黒い点」や「暗紫色のシミ」が出現した場合、粘膜の表面で何が起きているのかを正しく把握することが第一歩となります。
臨床的に舌の黒色変化を引き起こす要因は、大きく分けて以下の5つのパターンに分類されます。
最も頻度が高いのは、咀嚼時や睡眠中の歯ぎしりによって舌を強く挟んでしまう外傷性血腫(血豆)です。毛細血管が破綻して粘膜下に血液が貯留することで、黒色から濃い赤紫色の隆起が突発的に生じます。硬いせんべいや骨のある魚を食べた際の微小な刺傷でも容易に形成されます。
一方で、皮膚と同様にメラニン色素を生成するメラノサイトの局所的な増殖によって生じる色素性母斑(ホクロ)や、加齢・慢性刺激に伴う色素沈着も存在します。ただし、皮膚科領域と異なり、口腔粘膜に真性のホクロができる頻度は医学的に極めて稀とされています。
さらに、抗菌薬(抗生剤)やステロイドの長期服用によって口内の常在菌バランスが崩れる「菌交代現象」が引き起こす黒毛舌(こくもうぜつ)、古い歯科金属の微粒子が粘膜内に溶出して沈着するアマルガム刺青(メタルタトゥー)、そして極めて稀ながら致命的な経過をたどるリスクのある悪性黒色腫(粘膜メラノーマ)や舌がんが挙げられます。