ディメトロドンは恐竜ではない?帆の秘密と哺乳類のルーツを解剖
ディメトロドンは恐竜ではない?帆の秘密と哺乳類のルーツを解剖についての真相をお届けします。
ディメトロドンの代名詞とも言える背中の帆は、脊椎(背骨)の神経棘(しんけいきょく)が極端に長く伸長し、その間に皮膚や血管の網が張られて形成されていました。古生物学界で長年議論されてきたこの帆の役割について、近年は複数の機能が組み合わさっていたとする見解が主流です。
第一の機能は「体温調節(熱交換システム)」です。当時、外気温に体温が左右されやすい変温動物だった捕食者にとって、朝一番の体温上昇スピードは狩りの成否を分ける死活問題でした。ディメトロドンは朝の太陽光に対して帆を直角に向けることで、帆の表面を走る無数の血管から血液を温め、全身へと送り込みました。計算上、体重約200kgの生物が活動可能温度に達するまでに通常数時間を要するところ、この帆を利用することで活動開始時間を半分以下に短縮できたと推計されています。獲物となる他の動物が寒さで身動きが取れない早朝に、いち早く俊敏に襲いかかることが可能だったのです。逆に日中の酷暑時には、風通しの良い日陰で帆から熱を放散するラジエーターの役目を果たしました。
第二の機能は「ディスプレイ(威嚇・性選択)」です。仲間同士での縄張り争いやオスによるメスへの求愛行動において、巨大な帆を広げて自らの体格を誇示し、無用な肉体衝突を避けるコミュニケーションツールとしても機能していたと考えられています。
また、学名の「Dimetrodon(2種類の長大な歯)」が示す通り、顎の骨には用途の異なる歯が配置されていました。現代の爬虫類(ワニやトカゲ)はほぼ同じ形状の歯が並ぶ「同歯性」ですが、ディメトロドンは獲物を捕らえて突き刺す長い犬歯状の歯と、肉を切り刻む前後の細かい歯という「異歯性(いしせい)」を備えていました。これも哺乳類の歯(切歯・犬歯・臼歯)へとつながる重要な進化的特徴です。