ティファニーのハートネックレスは痛い?時代遅れ説の真相と年代別選び方
ティファニーのハートネックレスは痛い?時代遅れ説の真相と年代別選び方とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
世間の表層的なイメージとは裏腹に、ティファニーのオープンハートは宝飾史に名を残す極めて前衛的なアートピースです。その背景には、1974年にティファニーのデザイナーに就任した伝説的デザイナー、エルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)の確固たる美学が存在します。
イタリア・フィレンツェで生まれたペレッティは、当時のジュエリー界を支配していた「左右対称で平面的、装飾過多な宝石」に強い疑問を抱いていました。彼女が目指したのは、自然界の有機的なフォルムと、女性の身体にしなやかに馴染む流線型の美しさです。骨格や豆、水滴などから着想を得た彼女のスケッチから生まれたオープンハートは、中央に大胆な空間(余白)を持たせることで、「愛を受け入れるために心を開く」という哲学的なメッセージを宿しています。
彫刻のような3次元の立体美と、どの角度から見ても滑らかな曲面は、熟練の職人技なしには成立しません。単なる「可愛いキャラクター的なハート」とは一線を画すエルサ・ペレッティの造形は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品にも選定されるなど、アートとしての普遍的な価値を獲得しています。現在この歴史的背景を知るファッショニスタの間では、「一周回って最もモードで知的なクラシック」として再評価されているのです。