堀川恵子の経歴と傑作群の真価|原爆供養塔から暁の宇品、最新動向まで
堀川恵子の経歴と傑作群の真価|原爆供養塔から暁の宇品、最新動向までを徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。
堀川恵子氏の代表作として読書界に衝撃を与えたのが、2009年の『死刑の基準――「永山基準」などの知られざる舞台裏』(佐久間哲氏との共著)と、2015年の『原爆供養塔――忘れられた遺骨の70年』です。
『死刑の基準』では、日本の量刑判断の絶対的な指標とされてきた「永山基準」の知られざる成立過程を追及。司法の最高中枢である最高裁判所の調査官たちが、いかに苦悩し、葛藤の末に判例を導き出したのかを、関係者の証言と未公開資料から浮き彫りにしました。この司法のブラックボックスに切り込む姿勢は、のちに第45回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞する『永山則夫――封印された鑑定記録』(2013年)や、死刑囚の心に寄り添った僧侶の記録『教誨師』(2014年)へと結実していきます。
そして彼女の評価を決定づけたのが『原爆供養塔』です。平和記念公園の一角に佇む供養塔には、原爆投下によって亡くなり、身元が判明しながらも遺族に引き取られない無縁仏の遺骨が数万柱眠っていました。半生を捧げて遺族探しを続けた佐伯敏子さんの活動を追いながら、堀川氏は自らも戸籍謄本や名簿を照合する過酷な調査を敢行。遺骨がなぜ引き取られないのかという戦後の家族解体、差別の記憶、国家による責任の放棄を赤裸々に描き出しました。この作品により、堀川氏は大宅壮一ノンフィクション賞を再び受賞する快挙を成し遂げています。