他人叩きで快楽を得る脳の罠!「正義中毒」の正体と抜け出す処方箋
他人叩きで快楽を得る脳の罠!「正義中毒」の正体と抜け出す処方箋にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
正義中毒をめぐる議論では、世間一般に大きな誤解が根強く残っている。その筆頭が「他人を攻撃する人間は、もともと性格が歪んだ異常者である」という偏見だ。取材現場や心理カウンセリングの現場が示す実態は正反対である。攻撃の先頭に立つのは、会社で真面目に働き、家庭を大事にし、普段は温厚と評される一般市民であることが極めて多い。
もう一つの盲点は、「自分は客観的であり、騙されていない」という思い込み(素朴実在論)である。人は誰しも、自分の信念を裏付ける情報ばかりを集め、反証するデータを無意識に無視する確証バイアスを持っている。ネット空間ではフィルターバブルによって偏った情報ばかりが供給されるため、「全人類が自分と同じように怒っている」と錯覚しやすい。
「正義の名の下に行われる暴力」は、最初から悪意を持って行われる犯罪よりも遥かに残酷になり得る。加害者が罪悪感を一切持たず、むしろ「良いことをしている」という達成感に包まれているからだ。この無自覚な加害性こそが、正義中毒が持つ最大の危険性である。