地権者とは?所有者との違いや再開発の立ち退き・等価交換の実態を解剖

地権者とは?所有者との違いや再開発の立ち退き・等価交換の実態を解剖の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

ネット上の掲示板やSNSでは「再開発地域の地権者は勝ち組」「巨額の立ち退き料で一生遊んで暮らせる」といった言説がまことしやかに語られます。しかし、これは実情を知らない部外者の幻想に過ぎません。

第一の盲点は、固定資産税と相続税の激変トラップです。古い木造密集市街地に住んでいた地権者が、再開発によって免震タワーマンションの区分所有権を取得した場合、建物の固定資産税評価額は一気に跳ね上がります。当初数年間は軽減措置が適用されるものの、減額期間が終了した途端に年間数十万円から百万円超の納税通知書が届き、年金生活者が生活苦に陥る事例が頻発しています。

第二に、新築ビルの莫大な維持管理コストです。権利床を取得して新生活を始めたものの、高額な管理費や修繕積立金の支払いに耐えられず、最終的に住み慣れた街を去らざるを得なくなる地権者が後を絶ちません。

さらに制度面の潮目も見逃せません。現在、国土交通省を中心に老朽化マンションや密集市街地の再生を加速させるため、区分所有法の決議要件緩和(従来の5分の4から4分の3等への引き下げ議論)や、所在不明の地権者を排除して手続きを進める仕組みの強化が進められています。「最後まで粘れば補償金が吊り上がる」という昭和・平成の手法は、法改正と厳格な収用手続きの前に通用しなくなりつつあります。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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