モロー反射が激しいと発達障害?残存の理由と小児科受診の目安を検証

モロー反射が激しいと発達障害?残存の理由と小児科受診の目安を検証についての最新情報をご紹介します。

デジタル情報空間において根強く存在する誤解が、「原始反射が残存していると、将来100%発達障害になる」「反射を統合させる特殊な体操を受けなければ発達が止まる」といった不安商法まがいの極論です。保護者が我が子の健やかな成長を願う心理につけ込み、根拠の乏しい民間療法や高額なトレーニングプログラムへと誘導する事例も報告されています。

ここで整理すべき厳然たる事実は、「モロー反射の残存と発達障害の診断基準は全く別の次元に存在する」ということです。確かに、自閉スペクトラム症やADHDと診断された学童期の子どもたちを対象とした研究において、原始反射の統合不全が一部に見られるという統計的相関は学術的にも指摘されています。しかし、それは「因果関係」を意味するものではありません。「反射の統合が遅いから発達障害になった」のではなく、神経系の発達がユニークである結果として、反射の統合スケジュールにも個体差が出ているに過ぎないのです。

また、多くの親御さんが気にする乳幼児健診指摘についても冷静な理解が必要です。3〜4カ月健診や6〜7カ月健診の現場で医師が反射の有無を確認するのは、中枢神経系の麻痺や重度の筋緊張異常、脳性麻痺の兆候がないかをスクリーニングすることが主目的です。「少し反射の引きが悪いです」「まだ少し反射が残っていますね」という医師の言葉は、大半が「次回の健診まで様子を見ましょう」という発達の幅を考慮した経過観察の範疇であり、確定診断の宣告ではないことを認識しておく必要があります。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest