目止めとは?やらないとカビ・ひび割れの原因に!陶器と土鍋の正しい手順

目止めとは?やらないとカビ・ひび割れの原因に!陶器と土鍋の正しい手順について知っておくべき ポイントを分かりやすく解説いたします。

「目止めをしなくても普通に使えた」というネット上の書き込みを鵜呑みにして、処理をスキップしてしまうケースが後を絶ちません。しかし、器の修理工房や陶磁器の品質検証データからは、初期の目止めを怠ったことによる深刻なトラブルが数多く報告されています。具体的にどのようなリスクが生じるのか、3つの決定的な現象を検証します。

第1のトラブルは、「落とせない油染みと異臭の吸着」です。目止めをしていない陶器にドレッシングや肉じゃが、カレーなどを盛り付けると、釉薬の隙間から油分やスパイスの芳香成分が素地へダイレクトに浸透します。時間が経つにつれて酸化した油の嫌な臭いが立ち上るようになり、繊細な料理の風味を損ねる原因になります。

第2のトラブルは、「内部からのカビの発生」です。素地に浸透した煮汁の糖分やたんぱく質は、空気中の雑菌やカビ菌にとって格好の栄養源となります。表面をきれいに洗って食器棚に収納したはずなのに、数週間後に取り出すと器の底や側面に黒カビ・白カビがびっしりと繁殖していたという相談は、生活情報サイトや消費生活センターにも頻繁に寄せられています。深部に根を張ったカビは熱湯消毒でも完全に死滅させることが難しく、器を廃棄せざるを得ない事態に追い込まれます。

第3のトラブルは、「加熱時の水蒸気爆発によるひび割れと破損」です。これは特に土鍋の目止めを怠った場合に頻発します。土鍋の素地が水分を吸った状態で強い直火にかけると、内部に閉じ込められた水が急激に沸騰・膨張し、内圧に耐え切れなくなった素地がパキッと割れてしまいます。目止めは余分な水分の急速な侵入を抑制し、熱膨張のクッションの役割も果たすため、ひび割れ防止とカビ防止対策において生命線と言えます。

また、和食器の魅力の一つである「貫入(うわぐすりの表面に入るヒビ模様)」と目止めの関係も重要です。貫入は素地と釉薬の熱収縮率の差によって生まれる美しい景色ですが、放置すれば汚れがダイレクトに入り込み、清潔感を損なう黒ずみに変化します。目止めを行うことで、貫入の美しさを際立たせながら、汚れの定着だけを防ぐという理想的なコンディションを維持できます。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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