もじゃことは何の魚?ブリ稚魚の生態と採取禁止の理由を徹底解剖
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モジャコ漁の現場は、初夏の海で行われる極めて過酷かつスピーディーな職人技の世界です。旬の時期となる4月下旬から6月上旬、水産庁による解禁合図とともに、探索船と網船が船団を組んで沖合へ出航します。
漁獲の手法は独特です。見張り台から双眼鏡で海面をくまなく監視し、黒潮の潮目に浮かぶ流れ藻を発見すると、魚探で藻の下についた魚影を確認。小型の巻網やタモ網を用いて、海藻ごと包み込むように慎重にすくい上げます。生きたまま生簀船の水槽へ移さなければならないため、魚体にスレ(傷)がつかないよう極限の注意が払われます。
しかし、近年の海洋環境の変化は現場に深刻な影を落としています。関係省庁の観測データや水産試験場の報告によると、海水温の上昇によって沿岸のホンダワラ群落が衰退する「磯焼け」が広域化しており、結果として沖合を漂う流れ藻自体の発生量が激減しています。さらに黒潮の大蛇行が長期化したことで、もじゃこが接岸するルートが大きく狂い、年によって採捕量が極端に乱高下する事態が常態化しています。
かつては「海に行けばいくらでも獲れた」と語るベテラン漁業者の証言とは裏腹に、現在のもじゃこ漁は限られた資源をハイテク機器と綿密な操業計画で分け合う高度な管理漁業へと変貌を遂げています。