積水ハウス55億円地面師事件の実話と手口|主犯格の現在と騙された真相

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事件の舞台となったのは、JR五反田駅から徒歩約3分、目黒川沿いに位置する約600坪の広大な敷地を誇った老舗旅館「海喜館(うみきかん)」です。時価100億円とも囁かれたこの超一等地は、長年開発業者が触手を伸ばしながらも、高齢の女性所有者が頑なに売却を拒み続けていた「都市のエアポケット」でした。

2017年春、積水ハウスのマンション事業本部に「海喜館の所有者が売却を希望している」という極秘情報が持ち込まれます。持ち込んだのは仲介業者を名乗るブローカーたち。提示された買収価格は約70億円と、市場相場から見ても破格の好条件でした。当時、都内でのマンション開発用地の確保に苦戦していた同社担当部署は、この千載一遇のチャンスに色めき立ちます。

【地面師事件 経緯タイムライン】

  • 2017年3月下旬:積水ハウス東京マンション事業部へ海喜館の売買話が持ち込まれる。
  • 2017年4月24日:積水ハウスが売買契約を締結。手付金等として約14億円を支払い。
  • 2017年5月11日:本物の所有者から「売却の事実はない、契約は無効」とする内容証明郵便が届くも、社内では「怪文書」として握りつぶされる。
  • 2017年6月1日:残代金の決済を実施し、累計約55億5000万円を振り込み。同日、法務局へ所有権移転登記を申請。
  • 2017年6月6日:東京法務局品川出張所から「提出書類が偽造である」として登記申請を却下され、詐欺被害が確定。

契約から決済に至るまでの期間はわずか1カ月あまり。通常ではあり得ない猛スピードで巨額資金が動かされ、登記却下の通知が届いた瞬間には、口座に振り込まれた資金は複数のダミー会社や貴金属購入、暗号資産などを経由して瞬く間に散逸していました。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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