日本に生息しない虎をどう描いた?応挙や若冲が遺した名画の真相
日本に生息しない虎をどう描いた?応挙や若冲が遺した名画の真相とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
虎は単なる絵画のモチーフにとどまらず、空間を支配する強烈な意味合いを持っていました。特に屏風や襖絵に描かれた龍虎図屏風は、風水思想や禅宗の教えと深く結びついています。
東を司る「龍」は天の覇者として雲を呼び、西を司る「虎」は地の覇者として風を起こすとされ、両者が対峙する構図は天地の調和や英雄同士の拮抗を表しました。また、古来より虎の鋭い眼光は邪気を祓うと信じられ、縁起物や魔除けとしても絶大な人気を誇りました。武将たちが城郭や寺院の客殿に猛虎の図を競って発注したのは、自らの武威を誇示するとともに、外敵や災厄を退散させる守護の意味が込められていたためです。