鼻の軟骨がないと感じる理由は?鼻先が柔らかい原因と最新改善法

鼻の軟骨がないと感じる理由は?鼻先が柔らかい原因と最新改善法についての真相をご紹介します。

ネット上の掲示板やSNSでは、「鼻をいじりすぎると軟骨が溶ける」「病気で軟骨が消失した」といった不安を煽る情報が氾濫している。こうした言説のどこまでが科学的事実であり、どこからが誇張なのかを冷静に見極める必要がある。

まず、実際に鼻の軟骨が破壊される病態として医学界で知られているのが「鞍鼻(あんび)」である。鞍鼻とは、馬の背に乗せる鞍のように鼻筋が大きく凹んでしまう状態を指す。この主な原因は、激しい打撲や骨折などの外傷を放置したことによる軟骨血腫、あるいは再発性多発軟骨炎(RP)や多発血管炎性肉芽腫症(旧称:ウェゲナー肉芽腫症)といった指定難病である。これらの疾患では、免疫異常により耳や鼻の軟骨組織に炎症が起き、軟骨そのものが溶けて吸収されてしまう。ただし、これらは発熱、関節痛、難聴、極度の鼻づまりといった全身症状を伴う稀な疾患であり、「生まれつき鼻先が柔らかいだけ」の人が過剰に恐れる必要はない。

一方、美容医療の領域で頻繁に議論されるのが「移植した軟骨の吸収問題」だ。鼻先をツンと高くするために自身の耳介軟骨や肋軟骨を移植する手術(鼻尖形成術や鼻中隔延長術)を受けた際、術後数ヶ月から数年の間に「軟骨が溶けて低くなった」と訴える例が報告される。

形成外科の臨床報告によれば、移植された自家軟骨は血流が再開するプロセスにおいて、およそ10%〜20%程度が体内に吸収されるのが生理的な自然経過である。腕利きの術者はこの吸収分を計算に入れてデザインを構築するが、過剰なテンションがかかったり、血流不全が起きたりした場合には想定以上の組織が吸収され、後退することがある。これがネット上で「整形の軟骨は全部溶けてなくなる」と誇大に流布されている真相である。軟骨自体がすべて消滅するわけではなく、生着率と長期的な組織安定性の問題として捉えるのが正確だ。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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