上野毛駅は本当に住みにくい?高級住宅街の噂と治安・家賃のリアルを徹底調査
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上野毛駅を巡って「住みにくい」という声が上がる最大の要因は、隣接する二子玉川や自由が丘のような「駅前完結型の商業集積」が存在しない点にあります。駅前には大規模なファッションビルやアミューズメント施設はなく、街全体が第一種低層住居専用地域を中心とした低密度な街並みで構成されているため、利便性の基準を繁華街に置く層からは物足りなく映るのです。
しかし、この閑静さこそが上野毛が高級住宅街と呼ばれる理由そのものといえます。地理的には多摩川沿いに連なる国分寺崖線(通称ハケ)の上に位置し、古くから富士山を望む景勝地として知られてきました。明治末期から大正、昭和初期にかけて、政財界の要人や文人たちがこの見晴らしと自然環境に惚れ込み、別邸や本邸を構えたことが邸宅街の原点となっています。
その文化的文脈を現在に継承しているのが、東急グループの礎を築いた五島慶太のコレクションを収蔵する五島美術館です。国宝「源氏物語絵巻」をはじめとする貴重な古美術を擁し、敷地内に広がる広大な回遊式庭園は武蔵野の面影を色濃く残しています。また、駅近くには多摩美術大学上野毛キャンパス(造形表現学部など)が構えられており、街には独特の気品と知的な落ち着きが漂っています。
さらに建築愛好家を惹きつけるのが、世界的建築家が手掛けた駅舎です。2011年に竣工した現在の上野毛駅は安藤忠雄の建築設計によるもので、環八通りを跨ぐ巨大なキャノピー(大屋根)と、中央のスリットから自然光が差し込む地下ホームの構造は、土木インフラと都市景観が見事に調和した空間として高い評価を受け続けています。