思春期早発症は手遅れ?骨端線が閉じるタイムリミットと受診目安
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思春期早発症において保護者が最も恐れる「手遅れ」という言葉には、明確な医学的根拠が存在します。それは単に「病気を見逃した」という意味ではなく、骨の成長線である「骨端線(こったんせん)」が完全に閉鎖し、それ以上身長が1ミリも伸びなくなる限界点を迎えてしまうことを指しています。
通常、子どもは思春期に入ると性ホルモン(エストロゲンやテストステロン)の分泌が活発化し、急激に背が伸びる「成長スパート」を経験します。しかし、性ホルモンには「骨を伸ばす作用」と同時に「骨の成熟を早めて骨端線を閉じてしまう作用」という表裏一体の性質があります。思春期早発症を発症すると、通常よりも2〜3年以上早く性ホルモンが大量分泌されるため、一時的には同世代よりも頭一つ抜け出して長身になります。ところが、その代償として骨の年齢(骨年齢)が実年齢を遥かに超えて進んでしまい、本来なら中学生や高校生で迎えるはずの骨端線閉鎖が、小学校高学年などの極めて早い段階で起きてしまうのです。
小児内分泌領域の臨床データによると、治療を行わずに放置した場合、成長が早期にストップし、成人時の最終身長予測から大幅に下回る結果を招きます。具体的には、女児で140cm〜145cm未満、男児で150cm〜155cm未満にとどまるケースが散見され、本来遺伝的に到達できたはずの標的身長(ターゲット身長)から10cm以上も低くなってしまう深刻なリスクを背負うことになります。