過リン酸石灰の真価と使い方|なぜ効かない?ようりんとの違いを徹底解剖
過リン酸石灰の真価と使い方|なぜ効かない?ようりんとの違いを徹底解剖とは一体何なのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
過リン酸石灰は、1840年代にイギリスのジョン・ベネット・ローズによって世界で初めて工業化された化学肥料の原点です。リン鉱石に硫酸を反応させて製造され、植物が直接吸収できる形に加工されています。
最大の強みは、主成分である水溶性リン酸の吸収スピードにあります。一般に肥料に含まれるリン酸には「水溶性(水に溶ける)」「ク溶性(弱酸・根酸に溶ける)」「可溶性」「不溶性」という区分が存在します。過リン酸石灰のリン酸はその大半が水に溶けるため、土壌中の水分に素早く溶け出し、作物の根毛から速やかに吸収されます。これが「発根を促進し、苗の活着を早める」「花芽分化や初期の果実肥大を劇的に助ける」と言われる科学的根拠です。
過リン酸石灰の成分比率に目を向けると、法定規格上、保証成分としての可溶性リン酸は17.0%〜20.0%程度(うち水溶性リン酸が約15〜17%)となっています。残りの約50%以上を占めるのが副産物である硫酸カルシウム(石膏)です。「石灰」という名称が含まれているためアルカリ性資材と誤解されがちですが、過リン酸石灰そのものの水溶液は酸性を示し、土壌に対しては化学的中性から弱酸性として作用します。カルシウムと硫黄という二次要素・微量要素を豊富に伴っている点も、単なるリン酸単肥にとどまらない隠れた特徴です。