子宮筋腫の不正出血が止まらない原因は?血の塊や色でわかる危険なサイン
子宮筋腫の不正出血が止まらない原因は?血の塊や色でわかる危険なサインについて重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
不正出血を単なる子宮筋腫の仕業だと自己判断してしまうことには、大きな危険が潜んでいます。同じ不正出血という症状の裏に、命に関わる悪性腫瘍が隠れている可能性があるためです。
第一に警戒すべきは子宮体がん(子宮内膜がん)との鑑別です。子宮筋腫が子宮の筋肉組織から発生する良性腫瘍であるのに対し、子宮体がんは子宮内膜から発生する悪性腫瘍です。筋腫による出血が生理痛の悪化や経血量の急増を伴いやすい一方、子宮体がんは初期段階から痛みを伴わないサラサラとした不正出血や、褐色の帯下(おりもの)として現れる傾向があります。超音波検査で子宮内膜の厚みを計測し、異常な肥厚が確認された場合は、子宮内膜の細胞を直接採取する細胞診や組織診を行って判別します。
とりわけ見過ごせないシグナルが、閉経後の不正出血です。閉経を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大幅に減少するため、通常であれば子宮筋腫は少しずつ縮小し、出血も完全に停止します。それにもかかわらず、閉経から数年が経過した後に再び出血が見られた場合、筋腫による影響である確率は低く、子宮体がんや萎縮性腟炎などを疑うのが医学的な大原則です。「生理が戻ってきた」と楽観視するのは極めて危険な誤認と言えます。
さらに、極めて稀ではあるものの警戒を要するのが子宮肉腫の存在です。筋肉の層から発生する悪性腫瘍で、初期の超音波画像では通常の良性子宮筋腫と酷似しているため、画像診断だけでの完全な見分けは困難を極めます。急激なスピードで腫瘍が巨大化している場合や、造影MRI検査において内部の壊死・変性が疑われるケースでは、悪性の可能性を視野に入れた迅速な生検や摘出手術の検討が行われます。