ハンドホールとは?マンホールとの決定的な違いや規格サイズ・設置基準を徹底解説
ハンドホールとは?マンホールとの決定的な違いや規格サイズ・設置基準を徹底解説に関する質問を分かりやすくまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。
街中や施設構内の地下には、電線を地中化するための電線共同溝(C・C・BOX)や、高圧受変電設備へ電力を送る高圧ケーブル、インターネット通信を支える光ファイバー網が網の目のように埋設されています。これらの配線を長距離にわたって敷設する際、途中でケーブルを引き入れたり、分岐させたり、将来の保守点検を行うための「接続箱」が必要になります。この地中に埋め込まれる箱状の構造物がハンドホールです。
多くの人が抱く最大の疑問が「マンホールと何が違うのか」という点でしょう。両者の境界線は、極めて明快な物理的基準に基づいています。
- ハンドホール(Handhole):作業員が内部に入らず、地上から「手(Hand)」を入れて配線の引き込み・接続・点検を行う構造物。内寸はおおむね400mm角から1,000mm角程度。
- マンホール(Manhole):作業員(Man)が昇降用タラップなどを伝って内部へ全身入り込み、内部空間で作業を行う構造物。内寸は通常1,200mm以上、深さも数メートルに及ぶ。
現場においてハンドホールが果たす役割は、単なる「中継地点」にとどまりません。主な役割は次の4点に集約されます。
第1に「ケーブルの入線・延線(通線)作業の作業点」です。地中配管にケーブルを通す際、管路が長すぎたり曲がり(ベンド)が多かったりすると、摩擦抵抗によってケーブルに過度な張力がかかり、被覆や芯線を傷めてしまいます。電気設備技術基準などの内規でも、屈曲点や一定距離(一般に30〜50m程度)ごとに中間ピットを設けることが定められており、ハンドホールはその牽引作業の中継地として機能します。
第2に「配線の分岐および接続」です。幹線から各建物や街路灯、監視カメラ、EV充電器などへ配線を小分けにする際、安全に接続部(ジョイント)を保護する密閉空間を提供します。
第3に「将来のメンテナンスと増線スペース」です。通信容量の増大に伴う光ケーブルの追加敷設や、断線・漏電トラブルが発生した際の調査ポイントとして、地上を掘り返すことなく即座にアクセスできる窓口となります。
第4に「余長(スラック)の収容」です。光ファイバーや高圧ケーブルは、万一の再接続や端子台加工に備えて数メートルの余長を内部に渦巻き状に整流して保管しておく必要があります。この安全マージンを湿気や土圧から守るシェルターこそがハンドホールなのです。