染色体とは?Dnaや遺伝子との違いからヒトの本数・最新研究まで解説

染色体とは?Dnaや遺伝子との違いからヒトの本数・最新研究まで解説について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。

生命の誕生過程において、染色体の分配は精密極まりない工程ですが、物理的な現象である以上、一定の確率でエラーが発生します。これが「染色体異常」です。

染色体異常は、大きく分けて本数が増減する「数的異常」と、一部が欠けたり入れ替わったりする「構造異常(転座、欠失、逆位など)」の2種類があります。

最も代表的な数的異常が「トリソミー(3染色体性)」です。本来2本で1対であるはずの相同染色体が、精子や卵子が作られる減数分裂の過程でうまく分かれない「染色体不分離」が起きると、受精卵の染色体が3本になってしまいます。その代表例が、21番染色体が3本存在する「21トリソミー(ダウン症候群)」です。

ダウン症候群の歴史的経緯を辿ると、1866年にイギリスの医師ジョン・ラングドン・ダウンが特徴的な臨床像を学会報告したのが始まりでした。当時は原因不明の先天疾患とされていましたが、発見からほぼ1世紀を経た1959年、フランスの小児科医ジェローム・レジューヌらの研究グループが組織培養技術を駆使し、「原因は21番染色体が1本多いことにある」という遺伝学的起源を世界で初めて突き止めました。病気の原因が特定の染色体異常にあると判明した史上初の快挙でした。

染色体不分離が起きる最大の理由は、母体や父体の加齢に伴う生殖細胞の経年変化です。特に女性の卵子は、胎児期に作られてから排卵まで何十年もの間、細胞分裂を途中で停止した状態で卵巣内に保存されています。時間の経過とともに染色体を結合・牽引するタンパク質複合体(コヒーシンなど)が劣化し、分裂時の牽引ミスが生じやすくなることが分子生物学的解明によって明らかになっています。

ここで銘記すべきは、染色体不分離は誰の遺伝子にも日常的に起こりうる「生物学的な不可抗力のエラー」であり、親の努力不足や生活習慣のせいではないという点です。初期流産の約50〜70%は受精卵の重篤な染色体異常が原因であり、自然界における淘汰の機構でもあります。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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