味噌は常温Ng?冷凍でも固まらない理由と風味を保つ決定版保存術

味噌は常温Ng?冷凍でも固まらない理由と風味を保つ決定版保存術について知っておくべき ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

冷蔵庫の奥で眠っていた味噌のフタを開けた瞬間、表面に白い膜のようなものが張り巡らされていて、ギョッとした経験はないだろうか。「ついにカビを生やしてしまった」と落胆してゴミ箱へ直行させる前に、その正体を冷静に見極める必要がある。

表面に現れる白いモヤの多くは、カビではなく「産膜酵母(さんまくこうぼ)」と呼ばれる好気性の酵母菌だ。味噌の表面が空気に触れ続けることで、空気中の酸素を利用して繁殖する。この産膜酵母自体に毒性はなく、誤って口に入っても健康被害を引き起こす心配はない。ただし、放置すると独特のシンナー臭や油臭を発し、味噌の風味を著しく損なう。カビと産膜酵母の対処法としては、見つけ次第スプーンでその部分を薄く削り取り、清潔なスプーンで平らにならしておくのが鉄則だ。

一方、明らかに青、緑、黒色を帯びた綿毛状のコロニーが形成されている場合は、真菌類(いわゆる一般的なカビ)の繁殖を意味する。この場合も味噌全体の塩分濃度が高いため、内部深くまで菌糸が侵入しているケースは稀だ。変色した部分の周囲を1センチほど深めにえぐり取れば下部は問題なく利用できるが、異臭が全体に回っている場合は迷わず廃棄を選択したい。

こうしたトラブルを未然に防ぐ鍵が、購入時の梱包材の処理方法だ。市販の角型パックを開けた際、味噌の表面に載せられている紙と小さな包みがある。これらは和紙シートと脱酸素剤の役割として、工場出荷から陳列棚に並ぶまでの未開封状態において酸化を防ぎ、品質を保つために封入されている。しかし、一度フタを開けて外気が入った瞬間、脱酸素剤はその能力を失って役目を終える。むしろ湿気を含んだまま放置すると雑菌の温床になりかねないため、開封後は和紙シートごと迷わず破棄するのが正解だ。

破棄した後は、空気に触れさせないよう味噌表面のラップ密着保存を即座に行う。空気を追い出しながら味噌の表面に食品用ラップをぴったりと張り付けるだけで、好気性の産膜酵母の発生や酸化褐変を物理的に遮断できる。このひと手間で、品質保持力は数倍に跳ね上がる。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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