「瞑想の森」が魅せる究極の曲面屋根と静寂美に隠された設計思想
「瞑想の森」が魅せる究極の曲面屋根と静寂美に隠された設計思想の重要ポイントをお届けします。役立つ情報がチェックできます。
なぜこの空間に立つと、人はこれほどまでに安らぎを覚えるのだろうか。その鍵は、伊東豊雄が長年探求し続けてきた「風のような建築」という思想にある。
伊東は建物を強固なシェルターとして閉ざすのではなく、光や風、人々の思いが通り抜ける「柔らかな膜」として捉えた。エントランスから炉前ホール、そして収骨室へと至る動線には、外光を取り込むトップライトやスリットが計算し尽くされて配置されている。歩みを進めるごとに光の陰影が移ろい、まるで森の中の木漏れ日を浴びながら歩いているかのような感覚に陥る。
音響設計も見事というほかない。高い吸音性を備えた曲面天井は、人の話し声や靴音のとげとげしい反響を優しく吸収する。静寂がただの「音の不在」ではなく、温かみを持ったひとつの気配として空間を満たしているのだ。