なぜ伊藤博文は撃たれたか?ハルビン駅暗殺の真相と最後の言葉
なぜ伊藤博文は撃たれたか?ハルビン駅暗殺の真相と最後の言葉の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
ネット上や一部の歴史ミステリー本では、現在も「伊藤博文暗殺には別の黒幕がいたのではないか」「安重根は利用されただけの鉄砲玉だったのではないか」といった暗殺黒幕説が根強く取り沙汰されています。主な噂の内容と、一次史料に基づく検証結果は以下の通りです。
1. ロシア・フランス黒幕説の検証
事件現場がロシアの勢力下にあったハルビン駅であったこと、さらにロシア兵の警備網を安重根があまりにも容易に突破できたことから、「ロシア側が伊藤暗殺を黙認、あるいは関与したのではないか」という説が唱えられることがあります。しかし、当時の外交記録やロシア蔵相ココツェフの回想録を検証すると、ロシア政府にとって伊藤との会談は満洲権益の安定化を図る極めて重要な外交機会であり、伊藤を失うことは極東戦略上甚大な痛手でした。ロシア側の警備不手際は関与によるものではなく、雑踏と情報共有不足に起因する重大な警備上の過失であったことが判明しています。
2. 日本軍部・山県有朋黒幕説の検証
「日韓併合を進めたい日本軍部や山県有朋一派が、邪魔な伊藤を消すために安重根の犯行を誘導した」という言説も一部に存在します。しかし、これも客観的証拠を一切欠いた陰謀論に過ぎません。山県と伊藤の間には路線対立が存在したものの、長州閥のツートップとして明治維新以来の盟友関係であり、山県は伊藤の訃報に接した際、激しい衝撃を受け憔悴しきった姿が側近の日記に生々しく記録されています。
3. 使用銃器と弾丸の口径を巡る異説
安重根が使用した拳銃はベルギー製のFN ブローニングM1900(7.65mm)でした。しかし、事件直後に現場検証を行った医師の検視調書の一部記述や、摘出された銃弾の形状を巡って「伊藤の体から出た弾丸は安重根の銃と口径が一致しない」「ハルビン駅の屋根の上から別のスナイパーが狙撃したのではないか」という別犯人説が浮上したことがあります。しかし、近年の弾道解析および押収された弾丸7発と装填弾の薬莢照合、安重根本人の詳細な供述との整合性から、科学的・法医学的に別犯人説は完全に否定されています。