新成羽川ダムの真実|日本最大の重力式アーチと放流・備中湖の全貌
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新成羽川ダムを語る上で欠かせないのが、その特異な構造形式です。水圧をダム自体の重さで支える「重力式」と、両岸の強固な岩盤へ水圧を逃す「アーチ式」の長所を組み合わせた重力式アーチダムというハイブリッド形式が採用されています。
高度経済成長期の1968年に完成した本堤体は、堤高103.0メートル、堤頂長333.0メートルを誇り、重力式アーチダムとしては日本最大の規模として土木史にその名を刻んでいます。堤体に立つと、緩やかな放物線を描くコンクリートの曲面と、垂直に切り立つ重厚感が融合した独特の景観に圧倒されます。
新成羽川ダムの下流には田原ダム(下池)が位置し、新成羽川発電所(中国電力)との間で水を往復させる大規模な揚水発電を行っています。電力需要が高まる昼間に水を落として発電し、夜間の余剰電力で水を汲み上げるシステムは、中国地方の電力系統安定化において今なお中核的な役割を果たしています。